フード・ファディズムって言葉

フードファディズム(food faddism)とは、食品が健康や病気に与える影響を大げさに評価したり信奉したりすること』らしい。
『「食べもの神話」の落とし穴』という本にて紹介されていた言葉だが、自分がまさにコレだった。
鬱を発症するのは、外部環境による影響よりも、セロトニン不足によって起こると思ってた。なので根源は外部環境・精神的なものよりは栄養不足に原因があるものだと思っていた。肉喰ってセロトニンを適度に摂取すれば、鬱は改善できるんじゃね?と思ってた。
しかし、これを読んで、こういった考え方がフードファディズムだと分かった。
セロトニン不足は確かに鬱発症の要因かもしれない。だが重要なのは、セロトニン不足に陥るような生活を強いられていた外部環境に問題があるということ。だから、そうなった過程を含めたすべてに原因があるといえ、単に栄養のせいとは言えないのだ。
以前は、脳内の物資が、精神面と過度に密着していると思い込んでいた。だから、脳に十分な栄養が送られていれば、精神疾患は抑えられると考えてた。この本のおかげで、そうなった原因の背景・過程の重要さに気付いた。
ただ単に、”○○の原因はあの食べ物のせいだった”とか”○○を食べれば健康に”というような謳い文句は、全部フードファディズムである。
謳い文句ほどでないにしろ、確かに影響があるかもしれない。しかし、それは多少の影響である。
脳と精神を正常に保つために必要なのは、物質的な栄養だけでなく、外部環境からの物も同様に大切だ。
だから、人間にとっての外部環境は大きな栄養になるということだ。ただ、その逆もあるから注意がいる。
こういった風に思考が変わると、人間の構造はシンプルそうに見えて、やっぱり複雑だなぁと思った。
「食べもの神話」の落とし穴―巷にはびこるフードファディズム (ブルーバックス)