『悪人』を観てきた

この映画は以前、『告白』を観にいった時に広告で流れて、その時から気になっていたので満を持して観て来た。
ほんの少々ネタバレを含むので、これから観る予定の人は見ないでくれ。
まず登場する人物は、主要の一部を除くと、絵に書いたようなクズばかりw
ただ、重要なのは良いクズと悪いクズが出てくることだ。
ストーリー自体ははっきり言って、童話並に分かりやすいものであった。
善悪の根本を考えさせるような内容としては非常に良く出来ていたけど、分かりやすくしようとして極端過ぎる気もした。
被害者女の予想以上のクズっぷりには主人公へ同情もしたが、それでも法律は関係なしに、絶対なものなんだと思い知らされる。
人を殺す=悪人なのかという根本的な部分に疑問を投げ掛けた内容であり、もしそうなら誰でも悪人になりえることを示唆した内容でもあった。
あと人間の脆さ・弱さの表現は実に巧かったと思う。ただ、この辺の感じ方は見た人によって千差万別に分かれると思う。
ついでに役者陣も全体的に良かった。どの役者も、自身の役をそつなくこなしていたので自然に感情移入させられた。
だから、幅広い層に受ける映画だと思う。素直に日本映画も面白いもんだなぁと感心したよ。
あとPG12なのはベッドシーンがあるからだろうけど、こういったシーンをカットしてでも子供に対して見せるべき映画だと思う。
子供にこそ、こういった映画を見せて倫理観を身に付けたり、考えさせるようにするべきだと思う。(同じような内容のことを案外ドラえもんの映画とかでやってたりするけどw)
それと思った以上に感動的だった。観る年齢や立場によっては絶対泣くねw
音楽も予想以上に良かった。時折流れるBGMは、重要な場面の雰囲気と非常にマッチしてて、観終わってからも頭に根強く残ったほどだ。
ストーリー自体は正直、最後までサプライズはないが、ここまで一貫したストーリーに徹した勇気は、逆に評価出来ると思う。