趣味を仕事にしないほうがいい理由

「芸術家には休憩と仕事の垣根が取り払われてしまっている。だから病むのだ」


池田万寿夫が言った言葉らしい。
なるほど、と思った。
趣味を仕事にするとストレスがたまらないので羨ましい、という意見をよく見かける。
そんなことはないと思う。
確かに仕事と趣味が同じであれば、遊ぶような感覚で仕事に向き合えるのかもしれない。
プログラムが趣味のプログラマーが、仕事のプログラムが上手くいかないと、自宅で別のプログラムを組んで気分転換する、という都市伝説のような書き込みを見かけたことがあるが、正直羨ましいとは全然思えない。
メリハリがないからだ。
本人は仕事と趣味が同じであろうと、意識して仕事とプライベートをを分けているだろう。
しかし、もしその境目がわからなくなると、どうなるだろう?
趣味であることをしているのに、無意味にイライラしたり、強要されているように感じてしまうのではないか。
忙しい毎日があるからこそ、土日がありがたいように、きつい仕事があるからこそ、趣味が楽しめるのだと思う。
毎日が日曜日だと、退屈を通り越して恐怖すら感じる。
もし趣味にまでこの感覚が浸透することを想像すると、ゾッとする。