文章のみで親子丼の魅力を表現できるか!?

料理系の記事を、見て回ったり自分で作ったりすると、料理の『写真』の重要性がよく分かった。
しかし、写真なしでもその料理の魅力をなんとか伝えられないものか?
ペンは剣よりも強し!とまで言わしめたように、文章のみの可能性を試してみようと思う!



冷蔵庫を覗くと、鶏むね肉と卵の存在を確認。この二つがあれば、メニューは親子丼で決まりであろう。
さっそく作ることにした。だが普通の親子丼じゃあ、つまらない。そこで、例の吉牛風のつゆで作ってみることに。
つゆのレシピは『みりん・酢・ワイン・醤油・塩・砂糖・しょうがとにんにくの摩り下ろし・水』。
これに対しての具は玉ねぎ・しいたけ・鶏むね肉。しいたけを入れるのは、別になか卯を意識したんじゃなくて、出汁が出ると思って。
玉ねぎ・しいたけは初めから入れ、煮立ったらむね肉をドボドボ投入。瞬く間に肉は肌色へと変貌を遂げる。
そして箸で切るように混ぜた卵を数滴、中央へと落とす。中央は周りと違い、直火でないから固まるのに時間を喰うからだ。
それから周りへと溶き卵を流し入れ、固める。しかし火はすぐに消し、蓋をして余熱で半熟へと仕上る。これで完成だ。
ジャーからご飯を丼に山盛りよそい、蓋をとって姿を見せるその黄金色をご飯の上へ、さっと滑らせる。
ご飯、卵とじの両者から昇る湯気は、心地よい温かさと同時に食欲を誘う匂いを醸し出す。
焦る気持ちを抑えつつ、すぐに箸を用意すると、丼を前に鎮座し「いただきます」と怒号を発す。
まず箸でご飯2・親子とじ1の割合になったものをつまみ、口へ放る。途端、口に広がるのは醤油主役の甘辛風味。
ふっくらとしたむね肉・シャキっと歯切れる玉ねぎ・フニャッとして独特の風味を醸し出すしいたけ・これらをバランスよく繋ぐ卵黄身。
食感と共に様々な味覚を楽しませてくれる。その多彩さ否や、まるで味のロックバンドだ。
それら全体をサポートするプロデューサー、絶対的な安定感を持つ米飯が、それらを締め括る。
まさに絶妙なコンビネーションだ。気付くと2,3口。いや、4,5…止め処なく箸は進む。
気付いた頃には褐色色をした、丼底辺が顔を見せる。そこで初めて気付くのだ。「ああ、食べ終わってしまったのだ」と。
そこで口から出るのは「ごちそうさま」の一言と、満足の吐息であろう。口を濁すような渋い渋い緑茶が、この時ばかりは砂漠の水が如く恋しい。




やっぱ無理があるなw